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今回は、最近行動が変わった、実際の事例と取り組みをご紹介します。
(事実に基づいていますが、個人が特定される可能性のある部分は変更を加えています)
カズキ君(仮名)は4歳の男の子で、自閉スペクトラム症の疑いがあります。
遊びスペースを区切るために設置しているパーテーションに体当たりして倒し、制止されると激しく抵抗し、口頭で注意を受けると他児に対して物を投げつける、叩くなどの行動がでてしまうことが問題としてあがっていたお子さんです。
取り組みを始めて1か月程で、この行動はほとんど見られなくなりました。どんな経過だったのかをご紹介します。
まずは、どんな場面でパーテーションを倒す行動が起きる頻度が高いか?
パーテーションを倒す行動の直後に起きていることは何か?を観察して、記録していくと・・・
こんな関係性が見えてきます。
①<起きやすい前提条件>
自由な時間/何をすべきかはっきりと提示がない時間/本人ができることが少ない時間に
②<行動の直前>
大人からの注目がないと、
③<行動>
パーテンションを倒す・他児を叩く。
④<行動の直後>
すると、他児が「あー!いけないんだよ」などと声をあげる(=注目する)
または大人が近づき、制止する・言葉をかける(=注目する)
という具合です。
この結果から、何をしていいかわからない場面で起きやすく、
かつ、他者からの注目を得ることで強化されている(頻度があがっている)行動であると考えます。大人から注意される場面など、けっしてカズキくんは嬉しそうには見えませんが、行動記録の結果からは注目されることが行動を強めていると考えられるのです。
しかし、行動の直後に注目をしないといっても、他児からの注目を完全に消すことは不可能です。このため、とられた対策は次のようなものです。
・すべきことがわからないという時間を減らすことで、行動が生起するタイミングを減らす。そのために、本人に選択してもらう形で、何で遊ぶかを決めてもらうように誘導する
・大人がカズキくんと2人で、もしくはカズキくんと他児を含めて遊ぶ。この時に、カズキくんの遊びに注目する為に、「いいね!それ先生もやる」と言ってカズキくんの行動を模倣することを意図的に入れる。
(=問題の行動が起きる前から、遊びの中で・社会的に望ましい行動に注目をたくさんする)
・遊びは自閉スペクトラム症のお子さんが好む、短い遊びのサイクルを繰り返す形式を採用
・問題となる行動が起きる前に、本人の発言に対して反応する。座れている、片づけられたなど本人ができている行動を言語化して注目する
なんだ・・・そんなことかと思うようなこうした対応の変化で、しかし着実にカズキくんの問題とされていた行動は減少しています。
「〇〇したらダメだよ」といった声かけがかえってその行動を強めている可能性があることを大人は考える必要があります。
個人個人によって状況は異なりますので、ぜひ専門職にご相談されてから実践してみてくださいね。
詳しくは、個別に当事業所にお声がけ下さい。
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