極論してしまえば、人間の体は食べたものからできていると言えます。

そのため、お子様の偏食は多くの親御様にとって切実な問題です。特に、発達の偏りがあるお子様の場合、偏食が特に強く出ることがあります。

このコラムでは、いわゆる発達障害と呼ばれる症状を抱えるの子どもの偏食の原因と、その対策について解説します。この情報が、子を持つ親御様にとって、日々の食事づくりに役立つものとなれば幸いです。

偏食の原因

発達障害の子どもの偏食には、いくつかの原因が考えられます。

  1. 感覚過敏:自閉症スペクトラム障害(ASD)をはじめとする発達障害の子どもは、味、におい、食感などの感覚に対して過敏であることが多く、特定の食品を避けがちです。
  2. ルーチンへの強いこだわり:変化を好まないことも、いつも同じ食品ばかりを選ぶ一因です。
  3. 認知的な困難:新しい食品を受け入れることが難しく、未知のものに対する不安から偏食につながることがあります。

 

対策

偏食に対しては、以下のような対策を試すことができます。

  1. 少しずつ新しい食品を導入する:まずは、受け入れやすい形で少量の新しい食品を提供し、徐々に量を増やしていく方法です。子どもが安心して試せるよう、好きな食品と組み合わせてみるのも良いでしょう。
  2. 食事のルーチンを作る:食事の時間、場所、食器などを一定に保ち、安心感を提供します。これにより、新しい食品にも挑戦しやすくなる場合があります。
  3. 感覚遊びを取り入れる:食材に触れることから始め、食材の色や形、匂いなどを楽しみながら食に対する興味や好奇心を育てます。
  4. 選択肢を提供する:子どもにいくつかの食品から選ばせることで、食事に対するコントロール感を持たせ、食べる意欲を引き出すことができます。
  5. 一緒に料理する:料理の過程に子どもを参加させることで、食材への親しみや食べることへの興味を増やします。

 

まとめ

発達障害の子どもの偏食には、感覚的、認知的、そして環境的な要因が絡み合っています。保護者の方々が子どものペースに合わせて、根気よく対応することが大切です。

また、専門家との相談を通じて、個々の子どもに合った対策を見つけることも有効です。

何よりも、食べることは人にとって楽しみを伴うものです。

子どもにとっても、食事の時間が楽しいものになるようサポートすることが、偏食の改善への第一歩となります。